夜勤明け

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夕方から今朝までの夜勤が終わり、自分のアパートについたのが午前9:30。 体は疲れているのに頭がハッキリし過ぎて寝ることもできない。最近はいつもこんな感じになってしまい、寝ているのか起きているのかわからないような…ボーっとした時間になりがちだった。 そんな時には決まって電話をする相手がいる。 プルルル プルルル プルルル 『はい、もしもし』 3回目のコールで電話に出た声は可愛らしく、おっとりとした声色で、彼は声を聞くと若干の安らぎを覚えるのだった。 「今夜勤終わったとこ…」 『お疲れ様。今私も電話しようとしてたとこなんだ』 女の子の声は少しうれしそうな、少しホッとしたような、男の子が次に発するであろう言葉に期待をしているようだった。 「…あのさ、今からおれのアパート来れないか?」 少し遠慮がちに尋ねるのには訳があるのだ。 けど、女の子にとっては昨日から会えない寂しさにも似た気持ちがあり、訳や理由があってもそれは少しも気になるところでは無いようだ。 『今から行ってもいい?大丈夫?疲れてない?』 「大丈夫。つーか今から来い…てゆーか来て下さい。会いたくなった」 段々と本音が出てくるいつものやり取りではあるのだが、このいつもが嬉しいと女の子は思える。 『じゃぁ、30分くらいしたら着くから』 「寝ないで待ってるから」 ピッ 時計を見上げると 9:50 今から30分後となれば10:20。 男の子はこの30分を使って着替えをし、部屋を片付けて女の子を待つことにした。
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