夜勤明け

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5分くらい フンフン クンクン を続けていただろうか。男の子が女の子を部屋へ行くよう促した。 「行こう。お茶淹れるよ」 男の子との One room dateはいつも男の子が淹れてくれるお茶を飲む事から始まるのだった。 女の子にとって初めは『え?お茶?キモ・・・』と思わせるような事だったが、次第に興味になり、段々と尊敬に変化して来たのだ。その話はいづれ教えることにする。 「今日のお茶は、ローズガーデンってバラのかおりがするお茶だぞ~」 コポコポコポ 2つ並べられたティーカップから、優しいバラの香りがしてきた。癒されるよな落ち着くような…不思議な茶葉だった。 『いい香り…』 女の子が十分に香りを楽しんだあと、一口目を口にした。 … 砂糖を入れなくても感じる甘い味と、きれいなバラを感じさせる香りになんだか落ち着く。 「そのお茶、精神を安定させてくれるだって。疲れてるときとか寝れないときとか飲むと良いんだって」 男の子が茶葉についていろいろ教えてくれる。ウンチクを語っているのだが、長くなり過ぎないから、楽に聞けるし勉強にもなる。 『てか…男の子の精神安定したら寝るじゃん!!』 「寝ねぇよ!!」 『つか!!こないだタワレコで買ったCDを聞きながらお茶を飲むっ!』 ドタバタと女の子がCDの前に移動し、音楽をかける。 スピーカーからオサレなイージーリスニングが流れ、男の子の隣に座りなおす。ベッドを背もたれにして、テーブルとベッドの間に2人が座るようなかっこうである。 ♪~♪~♪ 『かわいいでしょ?』 女の子が男の子の肩にもたれるようにして座り尋ねてきた。 「オサレお茶屋さんみたいだな」 CDからはオサレカフェで流れるようなボッサノバやジャズが流れてくる。不定期なリズムやクラシックギターの旋律に耳を傾けながら…段々に両の目が脱力しはじめた。 『眠くなった?』 こくこくと前後に頭を振る男の子に、女の子は声をかけた。 「2時間くらい一緒に寝てよ…なんもしないから…」 精一杯滑舌良くしゃべろうとしたが、睡魔と闘いながらでは フガフガ ゴモゴモとうまく聞き取れない。 『いいよ…お布団いこ。一緒に寝るから…』 ヨタヨタしながら二人でセミダブルのベッドへ横になる。CDはかけたまま少しの間、おやすみかん…。
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