おはようの隣り

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女の子が抵抗を緩めようかと思う頃 グゴーン 聞いたことも無いようなお腹の音で一瞬間二人の時間が止まる。 「…ちょ…今のあたしじゃないよ?フフ…」 「…おれの腹…やっぱり腹減ったかも、ゴメン」 恥ずかしそうに視線を下げる男の子に、しょうがないなぁと言う様な表情であきれる女の子。二人ともお腹が空いてるのだから仕方が無いのだけど…。 「ううん、いいよ。大丈夫。今からなんか作るから待ってて…何かリクエストある?」 寝ぼけた頭を自分で撫でながら男の子がしばらく考えていたが、目を丸くし何かを思い出すような表情になったのを女の子は見逃さなかった。 「女の子、とか言うのはナシね。ご飯作ってるから、お風呂入っておいでよ」 「そしたら…いい?」 小さくうなづく女の子にきゅっと抱きつく男の子。首元に優しくチュウをする。 「…先にシャワー浴びてこいよ…」 「まさかのホリネタっすか」 耳まで真っ赤の女の子を意地悪くいじる男の子の顔が生き生きしてきた。 「ばっ!!バカ!!早く風呂入れ!!もぅ!!」 ウホーッと奇声を発しながら男の子が小走りでバスルームに向かう。 一人台所に取り残された女の子は、キスされた首元に手をやりトクトクと脈打つ心臓を落ち着けようとした。耳まで赤くなっているほど緊張し始めているのが自分自身でよくわかる。 (…はっ…はずかしす…) 落ち着こうと野菜に包丁を入れる。 トントンと包丁がまな板を叩く音と、近くのバスルームでシャワーを浴びる男の子の生活音を聞きながら、なぜかますます顔が紅潮してきた。 「ねぇー?ゴメン!!タオル、おっきいの取って~」 バスルームから男の子の呼ぶ声が聞こえる。…赤い顔を見られるのはまだ慣れない…
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