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「おめ~みてーなやつは、もうバンドなんかやんじゃねーぞ!はげ!ハハハ」
三人の男が一人を囲む形で立っている。
三人の内のリーダーだろうか半分金髪メッシュの背の低い男が、倒れている男の上に顔をちかづけた。
倒れている男の頭は、何があったのだろうか、元々染めてあったんだろう青の毛とバリカンでギザギザに禿げ剃られた部分とで使い古したタワシのような頭をしていた。顔も殴られた痕で原型を留めてないし、着ているお洒落服もやぶれた後があった。
リーダー格の男が、青い毛をむしるように持ち上げ、
「なあ~こ~へ~さんよ~分かったか??」やらしく囁くように言った。
下の男は、ただうなだれている。もはや動くこともままならないのだ。目だけは少し開けていた。
「分かったか?」
もう一度ドスの効いた声でいう。
「う…うん…」
下の男は観念して、服従した感じだった。
「もういいっしょ!これ以上やっと気持ちわりーし!祟ってきそうじゃね?」
三人のうち後ろで見てた長髪長身の男がそう言った。
「そうだな、察くっかもしんねーしもういくか!はは」
そう言って三人は、都会の夜の中に消えた。
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