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「アトラくんは、メルちゃんのあとを追わなくて良いの??」
その言葉でメルが出ていった扉をちらりとだけ見たが、その後動く気配はない。
「広い街だ。そうそう見つかるもんじゃないだろ。あいつもそのうち帰ってくるさ」
面倒なことはしたくない。
そう言うとおばさんは苦笑する。
アトラもそれに薄く笑うと、思い出したようにポケットから紙を取り出した。
「そういやぁ、この紙ってなんなんだ??」
「あぁ、それね」
それは先程くしゃくしゃにしてポケットに突っ込んだ紙だ。
さっきまで特に興味もなかったが、スリにあってしまった以上聞いておくべきだと思ったのだ。
「指名手配の紙だよ」
「そりゃわかる!!スリにしてはこの額は高いんじゃねぇの??」
アトラの言葉におばさんは少し困った顔をした。
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