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「なんだコレ」
街の少し手前で１枚の紙をアトラが拾った。それを横からメルが覗き込む。
「えーっと、」
“スリにご注意!!
常に荷物の確認を。
P.S. 盗賊の被害も拡大中”
ふたりは顔を見合わせた。
「…なにこれ」
「最近は物騒だから気を付けろってことだろ」
アトラは楽しそうに笑うとそれをくしゃりと潰して乱暴にポケットに突っ込んだ。
二人はそのまま街に入った。
そこは比較的賑わっている大きな街。たくさんの人が忙しそうに走り回っている。
そんな中ふたりは迷うことなく進んでいく。
建物の陰になっていて太陽の光があまり当たらない細く薄暗い道。
突き当たりには準備中と書かれた札のかかった一枚の扉。
そこはいかにも何かあります的な雰囲気を醸し出している。それを二人は迷うことなく開いた。
カランカラン
店のベルの音が響いた。
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