~伝夢~

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龍はコノヤロウッと大将に飛びかかろうとした! しかしハクダが龍を止める! 「龍まで死なれては ワシはやりきれん…」 「俺はもう死んでいるよ! こいつらを呪い殺してやる!」 ハクダは一人の男を()した! 「奴は術師(じゅつし)じゃ! しかもかなりの使い手じゃ! 死んだ人間を地獄送りにすることも容易(ようい)じゃろう… どこから来たかわからぬ不思議な少年よ… ワシのことを忘れんでくれっ! ワシは… ワシは… ワシはハクダ! 蛇神(へびかみ)白蛇王神(はくだおうじん)じゃあぁあああああっ!」 ハクダは白き大蛇(おろち)に変わると武者の大将に巻きついた! 一瞬で鎧ごと大将の骨が(くだ)け散る! 生き残っていた河童達も武者達に最後の戦いを挑んだ! 術師は戸惑(とまど)う武者を後目に秘文(ひぶん)を唱え始めた… 「闇に生まれし鬼どもよ… 我との契約によりて、敵を()らい()くせ…」 地面から鬼が大量に現れ河童を迎え撃つ! 河童達は鬼達に次々と殺されていった… ハクダは大将を仕留めると 次々に武者を絞め殺し術師に飛びかかろうとしていた! 鬼が術師を守る! しかし、ハクダの一撃に鬼は いともかんたんに闇に返された! 術師は次々と鬼を召喚していく… 術師とハクダの死闘は三日にわたり続いた… 術師はこの術だけは使いたくなかったと呟くと 翡翠(ひすい)勾玉(まがたま)を取り出した! 武者の(たましい)(にえ)にし 鬼の魂と融合(ゆうごう)させる! 凄まじき力を持つ鬼がハクダの動きを止めた! 「蛇神よ… せめて、(おのれ)(ほこら)に封じてやろう… 古留部(ふるべ)由来由来(ゆらゆら)()古留部(ふるべ)… 鬼の魂よ(かたまり)となりて 我が敵を()てっ!」 鬼が数体集まり 大砲で打ち出されたかのようにハクダに撃ち込まれた! 吹っ飛ぶハクダに龍が叫ぶ! 「ハクダァ!」 ハクダはのた打ちまわっている… 術師は祠にあった石に術をかけるとハクダに向けた… ハクダは石に吸い込まれていく… 石には白き蛇の模様(もよう)が浮かび上がった… 「クソ野郎がぁ!」 龍は術師に飛びかかるっ! しかし、龍は見えない壁にぶつかった! 龍はチクショ~ッと叫ぶと 術師を睨みつけた! |術師はなぜか泣いていた… 「あぁ? なぜ泣くぅ?!」 「我が子等を人質にとられているとはいえ (むご)いことをしてしまった… 我が子孫(しそん)… 龍太よ! 我が(あやま)ちを… 我が過ちを正してくれっ! 我が名は龍太郎! 鬼部龍太郎(もののべりゅうたろう)!」
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