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家のドアを勢いよくあけ
占竜と裕美が二階の香奈の部屋に駆け込んできた!
「グッ…
やはり…
蛇かぁ!」
占竜は慌てて術にとりかかる!
「香奈に憑きし邪悪なる長縄を祓い
物部香奈の魂をこの身に呼び込む…
天地の理により、天寿の歪めを
正す!
我が占竜の真名を言霊にのせ、祈り願い
奉る!
この世とあの世を行き来し、漆黒の御先神よ…
我が言霊と共に物部香奈の彷徨いし魂を探し出せっ!
たまのををを…
さがしもとめめめ・・・
よろずよよよ…
むすびたももも…
オンッ!」
占竜は精神集中し香奈の胸に手をおいた…
みんなは泣きながら見ていることしかできなかった…
「クソォ!
ダメだっ!
体内の穢が強すぎる!
まずは身を清める!
裕美ぃ~!
水珠を!」
裕美は慌てて水珠を占竜にわたす…
「水よ…
清らかなる水よ…
邪悪なる穢れを祓い
香奈の身を清めよ…」
水珠が青き光を放つ!
途端に香奈の体から黒き蛇が飛び出し
占竜に襲いかかる!
占竜の胸元に食い込んでいく黒き蛇を
無視して香奈に術を施す…
「香奈の魂よ…
常世より戻れ…」
水珠がさらに強き光を放ち、場を清めると、一匹のカラスが香奈の魂をくわえ
体内へと入っていく!
「肉体と魂を結べよ…
漆黒の御先神!
天の理を守護せし、契約を司る御先神よ…
天寿の理を正せぃっ!」
ドクンっと香奈の心臓が動き出す!
スッと目を開けると香奈はゆっくりと体を起こした…
龍は姉ちゃんと抱きつき
無事をみんなで喜んでいた…
その横で占竜が胸を押さえ苦しんでいる…
裕美が占竜に手を差し伸べる…
「へへっ…
他のみんなが手をださないように
押さえておいてくれよ…」
「にゃ!」
占竜は気を集中し始める…
「我が体内に入りし邪悪なる禍を喰らえぃ!
白虎来臨守護急急如律令!」
「ガゴォ~!」
白き虎が雄叫びをあげ現れた!
白虎は占竜の体に噛みつく!
占竜は苦痛に顔を歪める!
「なっ何しやがるっ!」
白虎に殴りかかる龍に裕美が一喝する!
「大丈夫にゃ!」
龍はビクッと動きを止める…
白虎は占竜をくわえ
右や左に振り回す!
裕美も震えながら見ていた…
ドカッ!
占竜は白虎の口からはずれて壁に叩きつけられる!
白虎の口には黒き蛇はくわえられていた…
白虎はそのまま
黒き蛇を噛み砕く!
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