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「ないのかよ!!」
平助君が素早く突っ込む。
「っていうより、女の子があまり…。今は剣があれば十分なので」
そう言って何故か悲しそうな顔をする沖田さん。
「たしかに総司はそういうとこあるよな…」
「おい、邪魔するぞ」
いきなり大きな声がしたかと思うと無精髭を生やした山賊みたいな浪士が数人中に入ってきた。
「い、いらっしゃいませ…」
奥から可愛い女の子が出てくる。
「へぇ~。こんな可愛い娘がおるとわなぁ~。まあちょっとこっち来いや」
そう言って引っ張られる女の子。
他のお客さんはみんな関わりたくないのか見て見ぬふりをして動かない。
「や、やめて下さい」
泣きそうな声が聞こえてくる。
「やめてあげて下さい!その子仕事中なんです!それに嫌がってるじゃないですか!!」
我慢できなくなって、男と女の子の間に割って入った。
「なんや、お前は?えらい美人やけど」
「コイツ、京一の美人言われてる奏って女ですよ」
隣の男が口を出す。
「へぇ~。そんな女が俺に盾突いとるんか」
「とにかくその子から手を離して下さい」
私の言葉に素直に従う男。
それを見て席に戻ろうとすると、腕を掴まれる。
「待ちや、俺がただで人の言うこと聞くとおもてるんか?」
「は?」
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