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「決めたんや、お前俺の妾なれ」
「冗談が過ぎます。早く離して下さい」
「冗談ちゃう、本気や」
「私、自分より強い人しか好きになれませんよ」
「俺で十分だろ」
「冗談がキツすぎますよ?私とあなたどっちが強いか…試してみます?」
「いいだろう」
「店で暴れるわけにいかないので外にでましょう」
頷いて外に出る無精髭の男。
「奏さん!!」
外に出る時に心配そうに私に声をかける沖田さん。
「私は大丈夫です。だから、ここで待っていて下さい。土方さんたちにも伝えて下さい。決して勝負を見に来ないで下さい」
「奏さん!!」
「?」
「約束してください。傷を負うようなことはしないと…」
「あはは、ほんと沖田さんは心配性ですね。大丈夫ですよ。あの人たちをこてんぱんにやっつけてきますから」
お店が見えなくなったところで、着物の中に潜ませておいたクナイと、短刀を出す。
…久々だけど…相手はたかが浪士。
私なら大丈夫。
そう自分に言い聞かせる。
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