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もしあの日、父さんと母さんの死がなかったら…
もし俺と藍があのまま兄妹として育てられていたら
俺はどんな人生を送っていただろう
慎也?!
お前に逢い親友になった確率はどれくらいあっただろう?
藍のように心から愛せる人に巡り逢えただろうか?
俺はずっと自分は不幸な人間なんだと思っていた
だけど本当は…
世界で一番しあわせな奴だったのかもしれない
慎也に逢えて
藍に逢えて…
藍を心から愛した
不器用なりに俺を愛してくれた母さん
慎也の父さんや空閑さん
そして峰先生…
特に先生は俺にとって父であり兄であり、頼もしい友人だった
先生と過ごした月日は俺に平凡な幸せを与えてくれた
だから
どうか誰も哀しまないで。
たとえ血の繋がった本当の兄妹だったとしても
許される事の無い愛だったとしても
俺は
妹としてではなく一人の女として
藍を愛した世界一幸せな
【幸福の王子】
だったのだから…
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