大切な妹

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  「何やってるの、マーくん? 」      ある日 母さんが不思議そうに聞いてきた 「アイに王子さまの絵本読んであげてるの!」 母さんはまた、俺の大好きな瞳を思いっきり細め クスクスと笑っていた 「優しいのね。」 「 だってボク、お兄ちゃんだもん。」 「そうね。 じゃぁ夕ご飯の支度するから、アイの事宜しくね!お兄ちゃん。」 「ハ~イ♪」 アイは絵本に手を伸ばすと“ァ-ァ-、ン-マ-”と何やら可愛く笑っていた その仕草が俺には “お兄ちゃん、早く続きを読んで!” そう言っているように思えたんだ そんなアイは大きくなっても “王子さまの絵本を読んで” そう俺にせがむようになった。                
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