大切な妹

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      3歳の冬 父さんは嬉しそうに言った。 「愛人、早く支度しろ病院行くぞ!!」 病院? 俺にはなんの事だか分からなかった。 「とーちゃん、病院って?」 「母ちゃんの病院に決まってるだろ。」 母さんの病院… そう言えば、朝から母さんを見ていない。 俺は急に不安になった 「とーちゃん、かーちゃんはどこ? かーちゃん何でいないの? まさか、かーちゃんに何かあったの?」 そんな俺の頭を、父さんは優しくなでた。 「バカだな! 良いから早く上着を着ろ、置いてくぞ!!」 「あーー待って!!」 あの日。 小さかった俺は訳も分からず ジャンパーを手に車へと乗り込んだ。              
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