優しさなんて、いらないから

私の、友は

「…ねぇ、まだ気持ちが決まらないの？ただ遠呂智様に従えば済む話じゃない」

翌日、妲己は宣言通り兼続の元に来ていた

しかし兼続は何も言わず、別のことを考えているようであった

妲己は苛立ちながらも、再び兼続に降伏勧告をしていた

遠呂智軍は確かに力がある

遠呂智や妲己の力は勿論、三国・戦国の者の力さえ手に入れた

だが、それを統率しきれているとは言えない

上に立っている者は反逆心を持っていても今はまだ動かない

だが、下の者達―――

各軍の兵はどうだろう

時期を気にせずに逆らってくることは容易に考えつく

そうなる前にその力をなだめ、纏める者が必要

しかし、現在の遠呂智軍には適任者はいない

今いる者でそれをするには遠呂智に反逆しようという気持ちが強すぎる

各軍がそれに従うとも考えられない

だから、兼続を選んだ

人との関わりの方ならば三成よりも向いている