ただ、主のために

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「直江兼続、参る!義のために!そして愛のために!」 「…お前は相変わらずだな。兼続」 「…三成…!?秀吉殿の命で援軍に来たのか?」 「…違う。俺は遠呂智の同盟軍……曹魏にいるのだ。…兼続。遠呂智軍に降れ。上杉が無理ならお前だけでも構わん。こんな所で死ぬ必要はあるまい」 三成は兼続と無益な戦をすることは望まず、降伏勧告をした それは友であることや…まだ遠呂智に逆らうほどの力がないことがあるのだろう しかし、兼続には謙信を裏切るようなことは出来ない 例え…遠呂智軍に逆らうのが今は自分達だけでも謙信が望むのであれば、兼続は従う気でいた 「三成!私は謙信公にお仕えしているのだ!いくら友のお前のいうことでもそれは聞けぬ!」 「…なれば力ずくで捕らえるまでだ」 二人の戦いは周りの者が介入出来ないほどだった それは舞のように美しく…戦場でなければ誰もが見とれる程であった 兼続と三成…両名の腕は互角であった いつ終わるかも解らぬ鉄扇と剣のぶつかる金属音が戦場で響く しかし、それに終わりを告げた者がいた 「…失せるがいい!」 「…邪魔をするな!…曹丕!兼続が死んだらどうするのだっ!それに俺も乱舞の余波はくらうのだぞ!」 「…色々と忙しい奴だな。…目的は果たした。ゆくぞ」
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