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「…目が覚めたのか?兼続。…手荒な真似をして悪かった」
「…三成。ここは…何処だ?…まさか遠呂智軍の居城か?」
「…ああ。…目が覚めたことを妲己に知らせてくる。…それまでに降伏を考えてくれ」
そういうと、三成は部屋から出ていった
武器を取られて、更に負傷した身では何も出来ないため兼続は大人しくしていた
部屋の中を見回すが他に誰もいないようであった
勿論、部屋の扉の前には見張りの妖魔がいるようではあったが立っているだけである
部屋は綺麗で、捕縛した者を置くような場所ではなかった
兼続は、遠呂智軍が降伏を願っているということを疑っていた
しかし、部屋や傷の治療をしてあることを見ると嘘ではない気がした
だが、兼続は遠呂智軍に従うことに迷いを感じていた
自らの保身のために謙信から離れ、遠呂智に従うことは出来ない
だが、兼続が逃げれば三成の立場は危うくなる
その二つの間で兼続は揺れていた
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