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「…あら、意外に大人しいのね。…まぁいいわ、兼続さん。遠呂智様に降っちゃいなさいよ。そのうち全部が遠呂智様のものになるんだから」
「…私は…!」
「随分賑やかだねぇ。誰か来てるのかい?妲己」
「…慶次!まさか、お前までもが捕縛されたというのか!?」
前田慶次といえば天下の傾奇者として有名だが、腕は確かである
今まで慶次を捕らえることの出来た者はいない
その慶次を捕縛したとすれば、遠呂智軍はかなりの戦力を持っていることとなる
それならば、尚更兼続は謙信の元に戻り報告する必要がある
「慶次さんは違うわよ。…そんなことより早く決めてくれなぁい?遠呂智様に従うの?従わないの?嫌っていうならぁ、私も貴方を片付けなくっちゃいけないわねぇ?」
「…まだ考える時間も必要じゃないのかい?兼続は目が覚めたばかりだし遠呂智もまだ動かないだろう?」
「遠・呂・智・さ・ま!呼び捨てなんてしないでくれなぁい?慶次さん。とにかく、明日の朝また来るわ。…逃げようなんて考えないでね?兼続さん」
そう言うと妲己は慶次と部屋から出て行った
残された兼続は現在の状況…
そして慶次が遠呂智に従う理由を考えていた
慶次は何かに気づいたか、気になるから遠呂智に従っているのかもしれぬ
しかし、本心から従っていたら…
そう思うと、兼続はその日眠ることはできなかった
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