異変

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ついに…俊の家に行く日になった。 少し緊張して早くに目が覚め伸びをしながら部屋から出ると、キッチンにお母さんが立っていた。 「おはよー里奈。早いのね。」 「おはようお母さん。」 お母さんは目玉焼きを作っていた。 「…また卵。」 「えっ卵やだ!?」 焦った声でお母さんが顔を上げる。 「いや…卵好きだけど。」 「よかった。」 ホッとしたような笑顔になり目玉焼きをお皿にのせる。 まあ忙しい朝から凝ったもの作れないよね。 テーブルにご飯を並べて席についた時。 視界が揺れた。 「…っ」 ガタンっ! よろけて机にぶつかった。 「どうしたの!?」 お母さんが私に駆け寄る。 「いや一瞬目眩が。」 「大丈夫?疲れてるんじゃない?」 「大丈夫。昨日あんま寝れなかったからだと思う。」 「寝れなかった?なんで?」 …まさか彼氏の家行く事考えたらなんて言えないよね…。 「内緒。」 「内緒!?言えないことなの?」 「あっほらお母さん時間だよ。」 無理やり話しをそらす。 「あら本当。じゃお母さん行くから。」 「行ってらっしゃい。」 手を振りながらお母さんが出て行くのを見つめた。
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