第1話

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「フワンテかわいいよねー!」 「そ、そうだね」 ここで「フワンテよりも君の方が可愛いよ」なんて言えたら、どれだけ賢者に近づけることやら。 そんなことも言えぬまま、ボックスには早くも18体目のフワライドが加わろうとしていた。 最近、彼女のことを考えるあまり、フワライドを病気のように量産している。 「ねぇ?まだ育成終わらないの?」 彼女がDSを覗き込む直前に、僕はDSを閉じた。 「今はまだ努力値振ってる最中なんだ」 「ふぅーん。何育ててるの?」 「ゴース」 「また幽霊育ててるんだ。だからフワンテ育てたらいいのに」 「ネタとしてはガラガラだけどな」 「名前は[ゆうれい]でしょ?」 「そうそう」 「アハハハ」 メロメロ型の彼女には勝てる気がしない。 「次はフワンテ育てるよ」 「絶対だからね。じゃあまた明日ー」 手を振って帰る彼女はまさに鬼神のごとく…………なんでやねん。 フワンテのような軽快な動きで走って行った。
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