砂の少女 サン・メリー

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部屋に充満する薬品や消毒液の強烈な臭いに鼻孔を刺激され、私は目を開けた…… 辺りを見回すと、部屋は薄暗くイビツな形の器具や奇妙な液体が入った瓶が何本も置かれていた。 私は体を起こし、先程まで横たわっていたベッドに腰かけた。 「……ここ…どこ?」ふと頭によぎった言葉を口にだしていた。 ここは一体どこなのだろうか…何故こんな所で眠っていたのか? 様々な疑問が浮かび上がってきていた。 「……私は…何者?」それが一番わからなかった…思い出そうとしても頭には何も浮かんでこない…何故? 「私は…私は…」 何も浮かんでこない、どうして…? 「やっと目覚めたか」部屋の奥から女性の声が聞こえ、私は声の方向を見た。
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