序章~曇りの心~

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青い空が広がっている。雲一つない、青々とした空が。 でも俺の心は、そんな空に反して曇り模様だ。 理由?そんなの… 「光騎!」 その声にビックリして後ろを向くと、そこには俺の親友の小路がいた。 「おはよう、光騎」 「あ、あぁ…。おはよう」 にっこりと太陽みてぇな笑顔で挨拶してきた小路に、俺もとりあえず挨拶を返した。 「なんか最近、ボーッとしてない?なんかあった?」 「い、いや別に…」 小路からの問に、思わず言い淀んでしまう。 言えるワケがねぇ…言えるワケがねぇだろうがぁぁぁ!俺の悩みのタネはお前の事なんだからなぁぁぁ! 「ふぅん…。ならいいんだけど」 そう言うと小路はタッと走り出した。 「僕、今日は先生に用があるから先行くね~」 こっちを振り向き、それだけ言うと小路は行ってしまった。 (行っちまったか…。一緒に行きたかったのになぁ…) そんなことを思ってしまうのも無理はない気がする。 俺の悩み事。それはアイツへの恋心なのだから。人生で初めての恋の相手が男だなんて、流石の俺も驚いた。でも、小路に恋愛感情を抱いているのは事実なワケで…。 「はぁ…」 思わず振り仰いだ空は、相変わらず青く。雲の一つもありゃしない。俺のこの心が晴れる日は何時になるやら…。 考えても始まらない。俺は学校への道を、小路を追いかけるように走り出した。
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