序章~曇りの心~

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「はよーさん」 「おはよー光騎」 教室に入ると、いつも連んでいるダチの隼人がいた。今日もトレードマークのアホ毛が、クルンと丸まっている。 「アレ?駿はどうしたんだよ。今日はいねぇの?」 いつもは隼人と一緒にいる駿の姿が見えなくて、俺は隼人にそう尋ねた。 すると隼人は顔を赤くして、「駿なんて知んないもん!!」と叫んだ。見ると隼人の首筋にキスマークがついていた。それもかなりの数の。 「ははん。さては、駿にヤられたなお前」 「んな!?」 そんなワケないじゃんかぁぁ!と叫ぶ隼人に、やっぱりヤられたかと俺は確信した。 「てか、き、兄弟同士でエッチするとかないから!絶対ないから!ほんとだから!!」 「じゃあ昨日の夜、俺の下で散々喘いで何回もイキまくったのはどこの何奴だよ、隼人?」 「お、駿!はよーさん」 振り向くと、そこには隼人の双子の弟である駿が立っていた。隼人とは正反対の位置にあるアホ毛が、今日も元気に丸まっている。 「だ、だってそれは駿が…!」 「俺が?何だってんだよ?言ってみろよ、隼人」 ずいっと意地の悪い笑みを浮かべて、駿が隼人に迫る。 「な…なんでもない…」 駿のその表情に負けてか否か、半分泣きそうな顔で隼人はそう言った。
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