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「おや…起きましたか?」
優しい低いスバルの声。
目をこすりながら体をムクリと起こすと、スバルの手が離れていく。
少し寂しいな…。
そう思って手を見つめると、スバルは優しく頬を撫でた。
「どうなさいました?
そんな可愛らしい顔をして…」
そう言ってクスリと笑うスバルに、どうしても素直になれないサナ。
「べっ別に…。」
本当はまだ触っていてほしぃ…
顔を赤くして目をそらすサナにスバルは優しく笑って手をキュッと握った。
勿論サナは驚いて手を引っ込める。
「な…」
「素直じゃないですね。」
そう言ってスバルはサナの手の甲にチュッと唇を落とす。
執事の服を着ているのに、まるでスバルは紳士な王子みたいに輝いて見える。
サナはそんなスバルに見入りながら…口じゃないことに少しだけ落胆していた。
そんなサナの気持ちを知ってか知らずか…スバルは自分の人差し指にキスを落として…その指をサナの唇にあてた。
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