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食事からもどってくると、斎藤さんは畳の休憩室で寝てしまった。
僕はとなりでケータイをいじりながらヒマをつぶした。
しかし2回目の測定である1時がせまってきても斎藤さんは起きない。
…僕寝てるひと起こすの苦手なんだよなぁ。気持ち良さそうに寝てるし。
ケータイをいじるのをやめて、寝ている斎藤さんを見る。
太い眉、今はつぶっているがつり上がった目、口と顎に蓄えた髭…大きなカラダ…
昔から、自分よりカラダが大きい男らしいひとに憧れる。幼なじみのたかしくんも、柔道部の先輩だった川田さんも憧れだった。
斎藤さんも憧れの存在だと思う。
だから昨日初めて見たとき、ふたりで仕事ができるのをうれしく思った。
だからもっと仲良くなりたいんだけどなぁ…
ジーッと見ていたら、突然パチッと目を覚ました斎藤さんと目が合った。
なんか恥ずかしくなって顔を横に向けてごまかすように
「あ、えとっ、もう1時ですよっ」と言った。
「…そっか、んじゃ行かなきゃな」
そう言いつつ、斎藤さんはタバコに火をつけた。
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