104人が本棚に入れています
本棚に追加
2度目の測定の間、なんか斎藤さんの顔を見れなかった。
なんで男のひと相手に恥ずかしくなってるんだろ…
こんな気持ち初めてでワケがわからなくなっていた。
「…生井くん?」
考え事をしていたせいで、斎藤さんが読み上げた数値を聞き逃してしまった。
「あ、す、すいませんっもう一回お願いします」
…ううっミスしてしまった…斎藤さんはますますムスッとしてるように見える。怒ってるのかなあ…やっぱり怖いなあ…。
2回目の測定の後、片付けをしていると
「生井くん、大丈夫?」
と言われた。
「あ、あ、さっきはすいませんでしたっ」
頭を下げると、斎藤さんは、
「そんな焦ったり緊張しなくていいんだからね、ゆっくりやろう」
と言って、僕の坊主頭をポンポンと撫でるようにしてくれた。
ボケッとしてたのを怒られるかと思ったので、逆にビックリしてしまって次の言葉が出てこなかった。
斎藤さん、優しいなあ…。
そう思うとなんか胸が、すごいドキドキしてきた。
3度目までの休憩の間、なんか休憩室で斎藤さんと一緒にいるのが恥ずかしくなって、
「ちょっとコンビニ行ってきます」
と言って、何の用事もないのに外に出て時間をつぶしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!