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「だってさぁ、ぼくがバラした時ケンちゃん引いてなかったじゃん」
…ミキちゃんとは中学で3年とも一緒のクラスだった。
ウチは昼間親がいないので溜まり場みたくなってて、ミキちゃんも何回か来ていた。
柔らかな物腰で、前々からそういう噂はあったんだけど、とある日の日曜日、ウチに来てたダチ数人で好きな子をぶっちゃける話になった時のこと。
「ぼくねぇ、まーくんのこと好きなんだぁ~」
と、同じクラスで同じ柔道部にいたムサ苦しいゴリラみたいなダチのことを好きなんだとカミングアウトした。
「この前なんか、チュウもしちゃったんだよぉ」
なんてあっけらかんと話すミキちゃんにみんなは若干引きぎみになっていたが、僕はいろいろと食いついてしまい、
「男同士ってどうやってエッチすんの?」
とか聞いてしまったりした。
興味があったのは確かだけど、自分もそうなのかもしれないとは思わなかった。
好きな子もずっといなかったし。
…いや、僕がゲイなんだとしたら、今思えば幼なじみのたかしくんや川田先輩に対して、そういう気持ちも少しはあったのかもしれないけれど。
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