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「なあに、気になるオトコでも現れちゃったのぉ?」
ミキちゃんは僕のとなりに座り直すと、ニコニコしながら聞いてきた。
「う、うん…バイト先のひと…まだなんかよくわからないんだけど…」
「へぇ~、どんなひとぉ?」
「ど、どんなひとって聞かれても…」
「画像とかないのぉ?」
いきなりの質問攻めに焦ってしまう。
「が、画像なんてないよ」
「どしてぇ~?撮ってこなきゃダメじゃん」
ミキちゃんは更に目を細めて笑顔になった。
「う、うーん」
苦笑いするしかない僕。
…なんとか気を取り直して、とりあえず斉藤さんのことを一通り話すことにした。とはいえ斉藤さんのことは何も知らない。見た目のことしか言えず、あっという間に説明は終わってしまった。
「うーん、てことは、ケンちゃんてばデブ専なのかなぁ?」
「…でぶせん…?てなに?」
「太ったひとばっかり好きになるひとのことだよぉ~」
…デブ専…確かにそう言われれば、心当たりのあるたかしくんも先輩もでっぷりと太ったひとだった。
「…そう、なのかな…?」
「んじゃさぁ~」
ミキちゃんは携帯を取り出すと、なにやらいじり始めた。
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