僕が乙女になった時

カムアウト

「これからま～くんとデートなんだあ、」
とミキちゃんは、僕の次の休みにまた会う約束をすると帰っていった。

さて。

この３日間。

たった３日間だけで、人生が180度変わったような目まぐるしさだ。
全ては斎藤さんに出会って変わってしまった。
斎藤さんのことを考えるだけで、すごくヘンなカンジがする。胸の奥が熱くなって…嬉しいような悲しいような気分になる。やっぱり斎藤さんのこと、好きなのかな…？

それって、ひょっとして、

「一目惚れ」

ってヤツなんだろうか？

…そうだとしたら、紛れもなく僕はゲイなんだろうな。
でも……
本当にそうなのかな？

どこか、まだ認めたくない自分もいるんだよね。

だって…好きになったひとが男のひとで…しかもゴツイ太ったおじさんだなんて。
なんか自分で自分を認められないんだよな。
なんか、まだ自分の気持ちをコントロールできない。

だって…
一方でそんなことを思いつつも、
「デブ専ならここみるべき～」
とミキちゃんが教えてくれた、ゲイ専用のちょっとエッチなＨＰをドキドキしながら見てる自分がいて…。

なんか自分のこと、すごいアホに思えた。