僕が乙女になった時

世界が変わったかも

今日はやっぱり、外の世界も変わって見えた。

駅までの歩く道、駅のホーム、電車の中…太った男のひとばかり目に止まる。見てるだけで、なんか少し恥ずかしい気持ちになる。

今までこんなことなかったハズなのに。

やせてる人や普通の男性には相変わらず何とも思わないのに。これまた不思議な気分だ。女の子を見ても何とも思わない自分も、なんだか不思議に思えてきた。

ミキちゃんはさも当たり前のように言ってたけど、どうして僕は太った男の人にだけこういう気持ちになるんだろうなあ？
イケメンさんはイケメンさんでかっこいいと思う美意識はあるのになあ。全く心惹かれない。

うーむ、自分のことなのに不思議でたまらないよ。

やっぱり違う。
違うって思いたい。
そうだ。
まだ、自分がそうだと認めるのはちょっぴり早いよな、うん。
斎藤さんとだって、まだ会うの３日目な訳だしね。

…そんなことを考えていたら、電車を乗り過ごしてしまった…トホホ…やっぱり僕ってアホだよなあ。
まあどこへ行くにも家を早めに出るのがクセな僕は、電車で一駅乗り過ごしても、会社には楽勝で間に合った。

着替えるためにロッカーに入ると…
斎藤さんが、
着替えていた。