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ノシノシと歩いていく斎藤さんに追いつくと、突然立ち止まった。あまりに突然だったので、でっかい背中に顔をぶつけてしまった。
「あ、あ、ごめんなさい」
斎藤さんは気にした風でもなく、振り返りもしないまま
「ここでいい?」
と言った。
見ると居酒屋さんがやってる定食ランチ。ウマそうな見本が並んでたので、
「はい、いいっす」と即答した。
入るとまだ12時前だったのでガラガラ。案内された席へ座ると、
「何でも食っていいよ」
と言われた。
「え、いいんですか?」
聞き返すと、
「…最初だから特別に奢り」
斎藤さんはメニューを見ながらタバコに火を付けつつそう答えた。
…うーん…よく思われてないかと思ったけど…
この人なんだか何考えてるんだかよくわかんないな…
ずっとこっち向いてくれないしなあ…。表情もちっとも変わらないし…。
そんなことを考えながら、店員が来たので注文した。
もちろんふたりとも大盛で。
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