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目が覚めた後、僕は気分を変える為に着替えて外に出た。
近所の公園の木々はすっかり葉を落としその幹をむき出しにしていた。
空は僕の心とは正反対に綺麗に晴れ渡っている。
今の自分の心には雲が掛かっているみたいに曇っているように思えた。
全部、あの夢と彼女の所為だ。
一体何者なんだ、夢に出てくる彼女は。
そう、思っていた。
ビュウッ
行き成り強い風が吹いた。
この時期に強い風はコートを羽織っていても正直堪える。
少しでも体が冷えないように首に巻いていたマフラーを口元まで上げた。
すると、
「あ、待って!」
背後から少女の声がした。
振り返ればその子の髪を纏めていたであろう赤とピンクのリボンが風に舞っているのが目に入った。
「(解けたリボンが風に煽られているのか・・・・)」
風に煽られたリボンは僕の近くに偶然飛んできた。
すると風は止んでリボンは僕の目の前にふわりと落ちた。
僕は目の前に落ちたリボンを拾い上げ手に取って見つめた。
「あ、ごめんなさい!それ、私のなんです」
リボンの持ち主であろう少女は小走りで僕の元に近付いて来た。
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