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仙台城は朝から何やらそわそわした空気に包まれていた。
その空気を発しているのは他ならぬ氷澄だ。
兵達に食事を作る侍女達の中に混じって台所に篭り、何やら作っている。
昨日からずっとそうなのだと言うと驚きだろう。
しかも、何を作っているのかも教えようとせず政宗への態度も素っ気無い。
「(一体何があったんだ、Honey・・・・)」
氷澄の素っ気無い態度に政宗の落ち込みようと言えば目に余るものだった。
奥州筆頭と呼ばれ独眼竜と仇名されている政宗が部屋の隅で落ち込んでいるのだから。
その姿を見た者は誰もが本当に伊達政宗なのかと疑うに違いない。
それほどまで、政宗の落ち込みようは酷かった。
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