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未だに落ち込む政宗を見て小十郎は大きな溜息をついた。
氷澄に相手にされないだけでこれほどまでに落ち込む政宗の姿が物凄く哀れに見えたのだ。
自分が慕いその背を守ってきた主なのだろうか?と思わず疑ってしまう。
「(氷澄、早く何とかしてくれ・・・・)」
そう思えば小十郎は再び大きな溜息を付いた。
小十郎がそんな事を考えているとも知らず政宗は未だに落ち込んでいる。
始めは体を丸めて端に座っているだけだったのだが今度は人差し指で壁にのの字を書き始めたではないか。
「もう駄目だ。氷澄に嫌われちまった・・・・!」
「落ち着いて下さい、政宗様。そうと決まった訳では・・・・・;;」
「Then why is it!?そうとしか俺には思えねぇ」
そう言って政宗は再び壁にのの字を書き始めてしまう。
好敵手である幸村が今の政宗を見たらどう思うだろうか?
恐らくどころか大騒ぎをするに違いない。
戦場での勇ましさは今は影も形も無かったのだから。
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