十分前

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中央公園までは少し距離がある。もちろん車で行くの。 あいつが引っ越してから、私は誰かを好きになることが出来なくなった。あいつが微妙な関係のまま引っ越したから。 連絡はたまにとっていた。でも、柳くんのメールの内容は、私の知らない世界の話だった。 あっ、ちょうど柳くんが横断歩道の前で信号が変わるのを待ってる。 ちょっと早く行ってよ! あいつを引き殺すんだから! 前には車が一台いた。 あっ、信号が変わる! はぁ……諦めるしか……えっ?前の車信号無視して……あ、引いて行った。 怪しまれるかナ?逃げよ。 …やっぱり気になる。戻ろう。 えっ?救急車が来てる。柳くん? 「こ、恋人です!」 「乗ってください!」 しぶといネ。まぁ、いっか。とどめを刺してあげる。 「あっ、目が覚めた?」 少しうつろな目の柳くんに言った。 寝静まったようね。周りに気配は無しっと。 じゃあネ、初恋の人。 寝てる彼の体に包丁を刺した……。 これでよかったよね……。 深夜、あいつは出血多量で死亡した。
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