25人が本棚に入れています
本棚に追加
ツカツカと革靴の音が2人分響く。
たまに吹く風が木々を揺らし、それもまた音になる。
こういう些細な音に耳を澄ますのも、悪くはない。
……ぐー……。
変な音が鳴った。その方向を見ると、当然の如く雨がいる。
「お前、お腹空いたのか?」
「え?あの、これは……」
一気に雨の顔が紅潮する。たまに見せるこういう顔も悪くはない。
「よし、コンビニ寄るか」
「申し訳ありません。現在は持ち合わせがないので……」
「気にするな。奢りだ」
「しかし、ジュウ様に負担を掛けるなどと……」
「気にするな」
「……はい、ではご好意に甘えさせて頂きます」
最初のコメントを投稿しよう!