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瑠『お豆腐屋さんの近く…』
チッ
思わず舌打ち
運が悪いことに、瑠花が通っているのは、午前中でも薄暗い路地裏
夕方だから、尚更だ
だが俺のマンションから、そう遠くはない
彰「わかった。ぜってぇ電話切んなよ!まずその通りから出ることだけ考えろ!」
瑠『うん…』
小さな声が微かに強まった事に、安堵する
彰「待ってろ。ぜってぇ助けてやる」
───…
はぁ…はぁ…
寝起きの運動だからか、上手く足が回転していないような気がして苛立つ
携帯だけを片手に必死に走る俺は、周りから見たらどれだけ滑稽なんだろうな
だけど、そんな事を考える余裕もなく俺は走り続けていた
時々携帯を耳に当てて瑠花に呼び掛ける
5分全力で走り続けると、やっと前方から見慣れた姿が早歩きで歩いているのを見つけた
彰「瑠花っ…!!」
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