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「……おい、聞いてねーぞ、ユーマ。なんであの人が生徒会長なんだよ」
「俺も知らねーよ……入学前に『驚かせてやる』とかほざいてたが、このことだったのか……」
「つーか、ヨイコ先輩って俺らの1つ上だろ?まだ2年生じゃね?どうやって生徒会長なんかに……」
「……あの人に理屈が通じねーことは、お前だって知ってるだろ」
そんな会話をしつつ、盛大にため息をつくユーマとナオタ。
なんだか、先の学校生活を暗鬱に思っているようにも見える。
「あ、あのさ」
と、僕は声を掛けてみる。
「二人は知り合いなの?あの人と」
「まぁ、賞味期限が半永久的な腐れ縁っつーか……」
ユーマは目頭を押さえつつ呟く。
ナオタが説明をしてくれた。
「同じ小学校の先輩だよ。ま、俺らとは家が近所だったから、幼稚園からの付き合いなんだけどさ」
そして、2人のため息。
「またあの人の圧政が始まるのか……」
「覚えてるか、ユーマ。4年生の時とかさ……」
「言うな、泣けてくる……」
「5年生の時とかも……」
「やめろ……!!」
───どうやら、2人はあの先輩に関しては様々なトラウマを持っているらしい。
……なんか、少し聞いてみたい気もするけど。
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