《1》画面のリリ

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「──ほら、朝よ。早く起きなさいってば」 いつもの声で、僕は目を覚ます。 「ん……」 「ほらほら、早く」 音量が大きくなる。 ……まったく、うるさい女だ。 「分かったよ」 のそのそと、僕はベッドから起き上がる。 と同時に、部屋のカーテンが独りでに開いた。 途端、陽光が部屋中を満たす。 「眩し……」 「ほら、シャキッとする。今日は中学の入学式でしょ」 相変わらず、ベッドの傍らのパソコンから僕を急かす声。 「勝手にカーテン開けるなよ……」 「残念でした、カーテンが開いたのはタイマーですぅ」 液晶の中で、彼女は意地悪そうに笑った。 「いずれにせよ、お前のシステム下じゃないかよ……」 「ぐちぐち言ってないで、さっさと顔を洗ってくる!」 「分かった、分かったよ」 僕はしかめっ面で洗面所へ向かった。
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