0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「あの…」
『はい?』
「今年越してきた桑原良です。よろしくお願いします。」
『こちらこそよろしくね。同い年なんだね(^^)』
「えっ!?マジで!?」
『えぇ!?なんで?』
「だって絶対年上だと思った!!」
『私、そんなに老けてる?』
これが私と良ちゃんの出会いだった。
良ちゃんがいなきゃ今の出会いは無かったよ。
ホントありがとう。
**********************************
今年から地元を離れて、下宿で暮らすことになった。
強気な私だけど、実はすごく心細かった。
だから良が話しかけてくれたことがすごく嬉しくて心強かった。
「おはよう、真由っ」
『おはよ~!!』
いつも気さくに話しかけてくれる良は下宿内でも人気者だった。
『明日、本宮さんの隣に本宮さんと同じ年の大学生が1人来るから仲良くしてね』
下宿のおばさんにそう言われ、笑顔で「はい」と答える。
良以外に話す人がいなかった私は、隣の部屋の子が来るのを楽しみにしていた。
「どんな子がくるんだろ!?
仲良くできるといいなあ…。
めっちゃ怖い子だったらどうしよう…
とりあえず楽しみっ!!
早く来ないかなっ」
そして次の日の夕方
晩ご飯を食べに食堂に行くと…
見慣れない女の子…
「もしかして…??」
『あ、本宮さん。こちら、西川さん。下宿の系列のアパートに住むんだけど、ご飯はこっちに食べに来るから仲良くしてね。』
「あっ…はい」
西川さんと紹介されたその女の子は、可愛くてふわっとしてて何だか年下みたいな雰囲気を持つ子だった。
結局、晩ご飯はその子と食べることになった。
その子の名前は西川彩。
積極的に話しかけてくれる、明るくて笑顔の優しい子だった。
ご飯を食べ終わり
『じゃあね』
「バイバーイ」
と、彩はアパートへ、私は部屋へ戻った。
「あ~あ、結局隣の子と会えなかった」
と、思っていた矢先…
コンコンっ!!
「…えっ!?
あっ…はいっ!!」
下宿内で異性の部屋を訪問するのは禁止されている。だから良が私の部屋に来ることはできない。
じゃあ一体…
驚きと不安が入り交じりながらドアのノブをまわす
そこに立っていたのは
美大生みたいに個性的なカッコをした女の子だった。
最初のコメントを投稿しよう!