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テーブルを囲んだ彼らは、良く食べ、良く話し、そして…良く笑った。
『それでね♪清四郎…』
三人の幹部達は、まるで機関銃の様に話す小桃を…優しげな眼差しで見つめていた。
彼らにとって小桃は、先代の忘れ形見と言うより…自分の娘とも言える存在だった。
清四郎も、はしゃぐ小桃を…微笑みながら見つめていた。
ただ、張だけは…料理にもさほど手を付けず、酒を申し訳程度に飲んでいた。
『張、もっと食べて飲め。喪家の犬でもあるまいし…遠慮はいらんよ』
その恐縮ぶりに曹は苦笑しながら、自ら張に酒を勧めた。
『うん♪張、もっと飲んで食べて♪』
小桃も張に食べるように促した。
『は…はぁ、じゃあ…お言葉に…』
彼は曹が差し出した酒を、申し訳なさげに受けた。
その恐縮ぶりに…小桃が吹いた。
『張。いつも私を注意する時は…威勢が良いのに。いつもの張で良いんだよ♪』
彼女の言葉に、幹部達は笑いながら頷いた。
『そうだぞ張。いつもと同じく振る舞えば良いのだ、楽しむ時はとことん楽しむものだぞ』
曹は張のグラスに酒を注ぎながら、渋い笑顔でそう言った。
その言葉に劉と孫も笑顔で頷いていた。
「たいした漢達だな…」
清四郎は、三人の幹部の度量に感嘆していた。
そして彼らと飲む酒は…殊の外美味く感じられた。
宴が終わったのは、それから3時間後の事だった。
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