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宴が終わり…三人の幹部達は退出し…へべれけになった張は、彼の部下に運ばれた。
給仕の者達も…後片付けを済まして部屋を出ており…
残ったのは、清四郎と小桃だけだった。
彼らは、今まで皆が居たテーブルに…向かい合わせで座っていた。
『清四郎…今日は久しぶりに楽しかったよ』
小桃は、テーブルの上に手を組んで両肘をつき、リラックスした格好で楽しげに言った。
『ははは、僕も楽しめましたよ。
張さんが…あんなに酔うなんてね…』
清四郎の言葉に、小桃はくすっと笑った。
『張…いつも、私を気に掛けてくれるんだ♪今日はそのお礼もあったんだけど…』
彼女はそう言った後…クスクスと笑った。
『あれだけ…コチコチの張、見たの…初めて』
『最後は…ヤケになって飲んでいた感じでしたね』
清四郎の言葉に、小桃は軽く頷いた。
『うん♪いつもの張で良かったのにね』
清四郎の頭の中には…
小桃に対して、口がさなく注意しながらも…なにくれとなく世話を焼く張の姿が…鮮明に浮かんだ。
『良いお兄さんみたいな存在ですか?張さんは?』
『うん♪大好きなお兄ちゃん♪』
小桃はこくんと頷いた。
その顔には、まるで大輪の華が咲いたような…愛くるしくも華やかな微笑みが浮かんでいた。
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