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次の日の朝…
清四郎は、新世界ホテルの一階にある…喫茶店に居た。
彼は、あのミルクホールで頼んだ物と…そっくり同じ物を注文していた。
サンドイッチにコーヒー、スクランブルエッグ…
彼の朝食のメニューは、ほとんどの場合…これだった。
『確かに美味いが…マスターの方が美味いな…』
清四郎は、サンドイッチをいくらかかじった後…そうもらした。
しかし…そこから見える、街の人々の様子は、活気に満ち溢れており…
その様子は…清四郎にとって、かなり好ましい物だった。
そんな時…清四郎に声を掛ける者が居た。
『清四郎さん…相席しても良いかね?』
その声の主は、あの三人の幹部の一人…
曹鍾輝だった。
『どうぞ』
清四郎は笑顔で、目の前の席を指し示した。
曹は微笑みを浮かべながら、そこに座った。
『昨日は楽しい宴でしたな。あんなに笑ったのは久しぶりでしたよ』
曹は微笑みを絶やさずに、如才なく話した。
『ええ…僕も楽しめました。貴方達と…ああやって飲んだのは…久しぶりでしたね』
『ええ、最後に酒を酌み交わしたのは…三年も前の事でしたから…』
曹は、昔を懐かしむかの様に…言った。
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