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清四郎が上海に着いたのは、一週間後の事だった。
上海の港は活気に満ちており…そこは数多の人の群れで埋まっていた。
『さてと…張さんは…どこかな?』
清四郎はその群れを掻き分けながら…波止場から出た。
その時、車のクラクションの音が聞こえた。
清四郎がそっちを見遣ると…そこには張が、車の窓越しに手を振っていた。
『よう!清四郎さん!待ってましたよ!また会えて嬉しいぜ』
張はそう言い、一人の手下を連れ、車を降りて清四郎に近づいて来た。
『お久しぶりです。張さん、お変わりは…無いようですね』
清四郎は張の出した手を握った。
『ああ、なんとかやってましたよ。さ…荷物は彼に、ボスが首を長くしてお待ちですので』
清四郎は軽く頷き…車へと向かった。
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