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ホテルに着くと、張と清四郎は真っすぐエレベーターに向かった。
この新世界ホテルは…10階建てで…その偉容は上海一と謳われた建造物だった。持ち主はもちろん…紅藩(フォンパン)だったのは言うまでもない。
エレベーターに乗ると、張が思い出した様に口を開いた。
『あ…清四郎さんの部屋なんですが…ボスと同じ最上階に…』
『ほう、それはありがたいですね。最上階から見る景色は…素晴らしいの一言ですから』
清四郎は、にこやかに返事をした。
《………チン》
そんな話をしている内に、エレベーターは最上階に着いた。
エレベーターが開いた途端…
清四郎の胸に、紅い物体が抱き着いて来た。
『清四郎!久しぶり!元気だった?』
その紅い物体は…ロングヘアで、紅いチャイナドレスを着た少女だった。
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