一話・第05遊撃小隊

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「……ハァ。」 “始まったか”と言う顔の藤宮は、肩を竦めながら深々と嘆息した。 こんな光景を見ていれば、今が戦時中だとは思えないだろう。 そんな脳天気な様子を見て察したのか、先程の《雷光》のパイロットが肩を叩く。 藤宮達に負けたばかりだというのに、中々に紳士的と言うか、男前な人だ。 「お互い、苦労が絶えんな大尉殿? 」 「はは、少佐程ではありませんよ。」 引き攣った笑顔の二人。 「「アッハッハー……。」」 お互いに渇いた笑いを浮かべ、その後、示し合わせでもしたように、同時に肩を落とす。 彼も、藤宮と同じ悩みを抱えているのか、部隊員達を軽く一瞥し、肩を落とす。
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