一話・第05遊撃小隊

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『では、第10MT中隊と第2航空支援部隊の連携訓練を始めます。パイロットの皆さんはシミュレーターを起動して下さい。繰り返します…………。』 やはり、底抜けに明るいソプラノがスピーカーから流れる。 こんな戦争が無かったら、声優やナレーターをやってても可笑しくなかったとは思うが、所詮は《もしもの世界》だ。 藤宮はそこでスッパリと、考えるのを止めた。 「05遊撃小隊、集合! これより《反省会》だ、逃げるなよ? 』 そう言って、基地内部にあるグラウンドに足を向ける。 目の端には、《しまった》という表情の中村が捉えられていた。
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