プロローグ

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左翼-第一防衛ライン 『ランス01よりCP! ランス01よりCPッ! 』 すぐ目の前に展開していた戦車部隊が壊滅し、《灰色の巨人》は、標的をMTに変更した。 手に持っている鈍器を振り上げながら、数体の化け物が接近する。 『ヴゥァア゛アアア゛!』 耳障りな雄叫びを掻き消すように、両手の50mmが吠え、近付く敵を撃ち砕いた。 『こちらCP、05遊撃小隊をフォローに回した。到着まで持ちこたえろ。』 『違う! 戦車部隊が壊滅した! 敵の増援も食い止められねぇ! 孤立を避けるため後退する! 』 その間にも、三機程が《化け物》にバラバラにされる。 断末魔の叫びは、装甲や基礎フレームが軋む音に掻き消された。 『後退は許可できない、防衛線を死守せよ。繰り返す、防衛線を死守せよ。』 『ふざけんな!俺達に死ねってか!?』 『繰り返す、後退は許可できない。防衛線を死守せよ。』 無慈悲なる命令に、ランス隊の面々は顔を強張らせる。 『ッ! くそったれ! ありったけの補給コンテナを集めろ! 援軍が来るまでの5分間、なんとしても守り切るんだ! 』 ほとばしる火線の軌跡が、《化け物共》の腕をもぎ、足を削り、胴体を吹き飛ばし、頭を砕いてゆく。
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