1人が本棚に入れています
本棚に追加
上も下も前も後ろも
真っ白だ。
今、そんな世界に私は独り。
怖い。
独りは怖い。
どこへ行っても、私は孤独……。
「こっちへおいでよ」
後ろから声がした。
―――誰?
振り向くと、離れた場所に人が一人立っている。
ここからじゃ顔がよく見えない。
声からすると若い男性のようだ。
「あなたは誰?」
私はたずねながら、男に近寄る。
白い光が彼の顔を照らしている。
眩しくて顔がはっきりわからない。
「僕は天使」
男は答えた。
……天使?
男の前まで来ると、やっと顔をみることができた。
私と同じくらいの歳の男の子だった。
彼は優しく微笑んでいた。
.
最初のコメントを投稿しよう!