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上も下も前も後ろも 真っ白だ。 今、そんな世界に私は独り。 怖い。 独りは怖い。 どこへ行っても、私は孤独……。 「こっちへおいでよ」 後ろから声がした。 ―――誰? 振り向くと、離れた場所に人が一人立っている。 ここからじゃ顔がよく見えない。 声からすると若い男性のようだ。 「あなたは誰?」 私はたずねながら、男に近寄る。 白い光が彼の顔を照らしている。 眩しくて顔がはっきりわからない。 「僕は天使」 男は答えた。 ……天使? 男の前まで来ると、やっと顔をみることができた。 私と同じくらいの歳の男の子だった。 彼は優しく微笑んでいた。 .
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