田中優花

2/12
前へ
/21ページ
次へ
田中優花 私の名前が1番上に載っている。 ニ学期末のテスト結果の順位が廊下に張り出されている。 私は通りすがりに目をむけた。 よかった。 また一位取れた。 今回は危なかった。 学年で二位の人とは、たったの4点差だ。 優花は胸を撫でおろしながら教室へ入った。 朝のホームルームが始まると、先生はいつもの通り連絡事項を済ませると、受験について話し始める。 「お前ら、2年生のこの時期に受験モードになってない奴は、大学受験に絶対間に合わないぞ! 寝る時間を削ってでも勉強するんだ!」 毎日先生方は、同じような言葉を繰り返す。 言われなくてもわかっている。 いつも限界まで頑張ってる、私は……。 名門高校に通う私は常にトップを取らなければいけない。 言われることを繰り返す毎日。 まるで機械だ。 勉強など結局役に立つのはほんの一部なのだ。 大量に暗記したことも、大学入試が終わればさよならなのに。 ホームルームが終わり、授業のチャイムが鳴った。 また退屈な一日が始まる。 .
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加