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「本当にやばいでこれ!!」
空華に加わり刹那も優の手を掴み引っ張ろうとする。
しかし優はその手を振りほどき二人に鋭い視線を向けた。
「今ここを離れたら駄目なんじゃ!!俺は残るから二人は帰ればいいじゃろ!!」
二人は優の大きな声を始めて聞いた。そして優の表情に負け、その手を放した。
「……もう!!何かあっても知らんで!!
ワシは逃げ足だけは早いからの!!何かあっても置いていくからの!!」
刹那は恐怖と混乱で半泣きになりながら優の横に立った。
「ほんとに何かあったら呪っちゃるけーの!」
空華も足を震わせながら優の横に立った。
「……二人共ごめんの」
優は二人を見ながら小さく謝った。
言葉が出ず、三人はその場に暫く佇んだ。
少し時間が経った時だった。突如、目の前のヒトが咳き込んだ。
三人は驚き戸惑う。
そんな三人の前で銀髪のヒトは静かに目を開けゆっくり顔を上げた。
そこには透き通る様な輝く綺麗な藍色の瞳が三人を見据えていた。
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